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2016年08月28日

Traser P6600のレビュー

時計が欲しいけどどどうせならトリチウム発光のが欲しいぞということで購入。
Traser P6600のレビュー
まず時計の使用感。
写真と違ってトリチウム管は思ったより暗い。文字盤が見えなくなってきたくらいの明るさでぼんやり光ってるのがわかる程度。

ただ普段袖に隠れていていざというとき機能しない蓄光と比べれば抜群に視認性が高いのは確か。暗がりで淡く光るトリチウムはやっぱりかっこいい...
デザインは黒ボディーに白の文字盤とシンプルでフレームの肉抜きも凝っててかっこよさについてはこれ以上ないドストライク。

ただし長針が微妙に長くて文字盤とかぶって時刻が見づらいとか秒針がズレてるとかいう点は見逃せない残念なところ。
あとケースはステンレスなのにそれを覆うベルトが接続されるフレーム部分が樹脂製という点。
落として破損したという報告も見たので金属製の方が良かったな。

Traser P6600のレビュー
長針が長くて見づらい。付属のNATOベルトはこの通りやっぱり安っぽい!というわけでHDT Evolutionとかいうベルトに変えてます。

Traser P6600のレビュー
ステンレスケースを覆う樹脂フレーム。樹脂の肉抜きなんて強度が落ちるだけじゃないのとか気にしたらいけない。


次にメーカーについて。
Traserはmb-microtecというメーカーの時計ブランドでここは昔からトリチウム管を作ってるところ。
かつてStocker&Yaleというメーカーが米軍にディスポーサブルウォッチ(安価な使い捨て時計)を納品していてその時計はここがOEMで製造してました。
そういう意味では本物作ってたメーカーです。

ちなみに米軍に納品していたS&Yの時計をブランドロゴを付けて民間用に売ってたのがまた別の会社でこれがLuminox。
米軍に納品されてた時計の民間用として売ってたのにLuminoxは世界各国軍隊で採用されていると謳いだしたのはどうにもおかしな話なんですよねぇ...

さて脱線はこの辺にしてそのS&Yが米軍への時計の納品をやめてしまってからは製造メーカーであるmb-microtecが自社ブランドを立ち上げて民間用として未だに販売している...これがTraserというわけ。
P6500というモデルはかつてのS&Y P650のレプリカでLuminoxのNavy SEALsもP650が元。
TraserとLuminoxのデザインがそっくりなのはこういう背景があるから。

そしてこのP6600はmb-microtecのオリジナルモデルでS&YにはP660は存在しない。
おそらくP650の後継をイメージして作られたのだと思う。
Traser P6600のレビュー
実際はここまでトリチウムは明るくない。暗闇で文字を照らしたりは出来ない。新しいタブで画像を開くで拡大。

かつての米軍のディスポーサブルウォッチは使い捨てというだけあって非常に安っぽい時計でした。
このP6600は存在しないS&Y P650の後継をイメージしてデザインを一新しよりコストを掛けて使い捨てという要素を潰しにきてます。
フレームこそ樹脂製ながらステンレスケースにスクリューバックで20気圧防水、それでいながらミルスペックにほぼ準拠というミリタリーなのに安っぽくないという理想的な時計になってます。


さて、ここからはこの手のミリタリーウォッチを買う上で気に留めて置いてもらいたいことを書いときます。
上でも安っぽいとかいうことを言いましたがいわゆるミリタリーウォッチは過酷な使用には向いてませんし信頼性という点でははっきり言って信用できません。
壊れたら捨てて新しいのを着ける。「末永く愛用」とは真逆の思想ですね...
この手の時計全般に言えますが"ミルスペック"を決め手にしない方がいいです。

ミルスペックという謳い文句に幻想を抱きがちですが、Luminoxも同じくこの手の時計は米軍の46374という、時計を設計する際の規格準拠を謳い文句にしてます。
これは我々が想像するようなすごいもんではないです。
特に凝った設計になってるわけではなくムーブメントも安い汎用のものでトリチウム管が乗ってる以外フツーの時計と変わりません。この規格は軍の兵士に配る安価な使い捨て(ディスポーザブル)時計の性能を規定するためのもので実際に軍に納品されるモノやミリタリーを謳う時計を見ても分かる通りペラペラのプラスチックで時計としては最低限の性能しかありません。

そのためこの規格で求められる性能的なものは例えば、防水性はたったの3気圧5分だけで耐衝撃性は50cmから樹脂製の床に一回だけ落として壊れなかったらOKなど。
10mの落下テストをするG-Shockとは比べるもんではないです。
また詳しく書いていきたいですが、仕様書そのものがPDFでネット上にあります。

この規格は耐久テストだけでなく文字盤やベゼルのデザインから回転ベゼルの回す硬さ具合まで何から何まで細かく決まってます。
特殊なものを挙げるとボタンなど操作なしで暗闇のなか8時間の視認性が求められてます。
そういうわけでトリチウム管が載ってます。
またブランドロゴの刻印は禁止されてるのでTraserにはTraserの文字ががどこにもありません。
裏蓋の刻印まで決まってるので細かい事言うとこのモデルもそこは忠実か微妙なところですが。
Traser P6600のレビュー
裏蓋はそれっぽい刻印がされてますが、実際に米軍に納品される時計はNSNナンバーも刻印されます。新しいタブで画像を開くと拡大されます。

実際に許可を得たとか納品されたとかいうわけではないのでどこまで仕様準拠なのかはわかりませんがミルスペックにほぼ忠実なデザインというのは魅力ですかね。

ただミリタリー風ウォッチではなく今の21世紀の兵士が付けてるミリタリーウォッチをお探しならG-ShockかSUUNTOもしくはTIMEXが装着率のほとんどを占めてるのでそっちへ行ったほうが良いです。





Posted by Strela  at 16:52 │Comments(0)時計

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